令和4年度・第59回茨城産業人クラブ定時総会・講演会

2022720日、ホテル・ザ・ウエストホテル水戸において「定時総会・ 講演会」が行われた。

開会は大井川和彦茨城県知事が来賓を代表してご挨拶をいただいた。製造業を中心とした産・学・官・金の産業人クラブの経営者に、さらなる県内経済界の発展と活性化に向けてご挨拶をいただいた。

 次に主催者挨拶として私が開会のあいさつを行った。挨拶は以下の通り。「茨城産業人クラブ会長の高橋でございます。平素は茨城産業人クラブに対し、多大なる協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

また、本日は第59回定時総会・講演会にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。主催者を代表し、一言ご挨拶をさせていただきます。

 ワクチン接種の効果などから落ち着きを見せていた新型コロナウイルス感染症ですが、7月現在、急速に感染が拡大し「第7波」に入ったと言われています。岸田首相は14日の会見で「新たな行動制限は現時点では考えていない」と表明していますが、経済活動の回復に向けた取組みと感染拡大防止のバランスをより一層慎重に図ることが求められます。

 さて世界経済ですが、コロナ禍からの世界的な回復による需要増はあるものの、ウクライナ情勢の長期化などを背景に物価上昇が続いております。各国は金融引き締めを一段と強化しておりますが、米国の利上げに伴うドル高により、新興国からの資本流出が「既に発生している」との見方もあり、世界経済の先行きに不透明感が強まっております。

 また先日おこなわれたG20では、ロシアのウクライナ侵攻を巡る意見対立から(4月の)前回会合に続き、共同声明の採択が見送られました。

先進7カ国(G7)に中国、インドなどを加えた広範な枠組みでインフレや食料危機などの課題に対し対策を取ることが期待されましたが、政策面での成果がほとんど得られず、G20の機能不全が改めて浮き彫りとなったかっこうです。

 国内に目を向けますと、資源価格の上昇や上海のロックダウンなどを主因とするサプライチェーンの停滞が生産活動の足かせとなり、製造業で一段と深刻化しています。特に品不足は今や主要な電子部品だけでなく、汎用品にいたるまで調達難を引き起こしており、受注好調な企業も頭を悩ませておられるのではと推察いたします。

参院選に大勝し「黄金の3年」を手中に収めた岸田政権ですが、新型コロナの再拡大に加え、物価高対策やエネルギーの安定供給など喫緊の課題が山積しております。変化が激しい経済情勢や国際環境を鑑み、民意は政治の安定を選択した形ですが、岸田政権には中長期の視点で経済・安全保障政策を進めていただくことが求められます。

また我々企業においては、DXやAI、IoTなど新たな技術を用いて、競争力の強化や、新たなビジネスモデルの創出に向けた動きを加速化させる必要があります。今まで以上に具体的なアクションをどう展開していくのかが大切になる1年ではないでしょうか。

 総会終了後の講演会では茨城県 警察本部の飯利雄彦(いいり・たかひこ)本部長に「技術情報の流出やサイバーアタック」をテーマにご講演いただきます。サイバーリスクに関しては小島プレス工業がマルウエア被害を受け、トヨタの14工場28ラインが止まったという事件がありました。ひとたびサイバー事故が発生すれば、企業の事業継続に甚大な被害や影響がありますので、茨城産業人クラブとしても積極的に取り組んで参りたい課題と考えております。 

それでは本日お集まりの皆様のご健勝と、茨城県経済のさらなる発展を祈念するとご挨拶にかえさせていただきます。」  

  その後、会則により会長が議長を選任され、第一号議案「令和3年度事業報告・収支決算の承認を求める件」、第二号議案「令和4年度事業計画・収支予算の承認を求める件」は賛成多数で承認された。第三号議案「役員の選任を求める件」では新熱工業㈱の大谷直子社長・フォージテックカワベ㈱の河辺真理子社長・㈱諸岡の諸岡正美社長三名が新理事に承認され、役員の退任、役員名の一部変更、役員の役職の一部変更の報告があり、すべての議事が終了した。

次に茨城大学より、副学長・理工学研究科長の増澤徹氏から、「茨城大学博士課程の社会人進学制度のご紹介」と題して、我々経営者が世界に進出するにあたって、博士号を取得し、経営者がドクターの称号を持つことの重要性のお話をいただき、茨城県の活性化のため、茨城大学が協力出来るコースを設立したことの説明を受けた。

続いて講演会が開催され、「技術流出をめぐる情勢とサイバー攻撃の実態」と題して、茨城県警察本部 本部長 飯利雄彦様より、経済安全保障政策とサイバー攻撃の具体的な事例をご講演いただいた。産業人クラブとしては警察本部からの講演は初めてのケースで、激動する世界情勢を視野に入れてのことである。

懇親会は新型コロナ感染防止のため、「着席式」に変更した。冒頭、主催者挨拶で日刊工業新聞社の井水治博社長にご挨拶をいただき、予定通り終了した。


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