茨城経協11-5月号 トップインタビュー(5)

坂寄 東日本巨大地震を被災して、後世に残す反省とか教訓をどのようにまとめておいでですか。

高橋 当社の次世代の人達のために、私がどのように考えて行動したか反省もこめて記録を残しました。その一部を社長ブログに掲載し、社員に見てもらうようにしました。今回の原発事故の対応で、想定外という言葉を聞いて多くの疑問を感じました。失敗学で有名な東大の畑村名誉教授は「見たくないものは見ない。考えたくないことは考えない。米国は考えようと努力する国。日本は考えないままにしておく国」と言われました。日本の個々人は適切な判断能力を持っているのに、個人の集合体である日本は考えない国になっている。私たち日本人にはこのような体質があることを意識して、変えてほしい。そして最悪のことを考えない危機対策には限界があることを肝に銘じてほしいと思っています。                                        

独自技術で高いシェア―

坂寄 ところで、協立製作所はどんな物を作っているのですか。

高橋 当社は油圧機器の専門製造メーカーとして、建設機械に使用される油圧ポンプや油圧バルブのOEM商品とこれらの精密部品を作っています。建設機械などに使われているピストンポンプやバルブが主力製品です。油圧ショベルをコントロールするバルブに使われている「スプール」と称する部品はお客様から絶大な信頼をいただき、世界シェア―の約45%を占めていて、「made in Japan」の一翼を担っています。従業員300人、年商48億円(2011年1月期)です。

坂寄 創業の地はどこですか。

高橋 1954年、現会長である父の高橋庫吉が東京の品川で切削工具の研削・製造を始め、4年後の1958年2月、有限会社協立製作所として創業したものです。 父は兄弟でこの会社を始めたもので、協力してやっていこうとの趣旨で「協立」としたようです。

坂寄 この地での操業は長いのですか。

高橋 1970年からですので、もう40年になりますね。研削加工専門の工場から、部品の一貫加工ができる体制づくりを行ってきました。現在では原材料を購入し、NC工作機械による切削加工、焼き入れ、研削、組立て、試験、塗装の一貫生産ラインを稼働させています。

 

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