ホーム > 油圧とは? > 油圧の仕組み

油圧の仕組み

協立製作所が関わっている「油圧」。この仕組みや関連する製品・部品について詳しく説明していきます。
協立製作所の社員は、こういったことを理解して製品・部品を製造しています。

油圧の仕組み

私達が通常見かけるブルドーザ、油圧ショベル、クレーンなどの建設機械は、油圧を利用してレバー1本を動かすことにより、あの重いブレードやバケットを動かして、掘削、積込み、重量の上げ下げを行っています。
作動油を媒体として動力を伝達し負荷を駆動する油圧システムは、小型な装置で大きな力あるいはトルクを取り出すことができるという長所を有しているため、建設機械、航空機、船舶、自動車等で広く利用されています。


図1:油圧ユニット構成例

油圧ユニットの構成は、流体のエネルギー発生源である油圧ポンプから送り出された高圧の油圧作動油を油圧制御弁で圧力、流量、方向を制御して油圧アクチュエータに送ります。ここで、流体のエネルギーは、機械的エネルギーに変換されて負荷を動かし、実際に仕事をしています(図1参照)。


油圧の特徴

油圧の長所
  1. 小型で強力な力またはトルクを発揮できる。
  2. 空気圧に比べて小型・軽量で出力が大きく、応答性が良い。
  3. エネルギーの蓄積ができるとともに、安全装置が簡単である。
  4. 高温や労働環境の悪い所での使用ができる。
  5. 電気と簡単に組み合わせができ、いろいろな制御が可能である。
  6. 速度範囲が広く、無段変速が簡単で円滑である。
  7. 振動が少なく円滑である。
油圧の短所
  1. 油漏れの恐れがある。
  2. 油の温度変化で、アクチュエータの速度が変わる。
  3. 騒音が大きい。
  4. 火災の危険がある。
  5. 作動油の汚染管理が必要である。
  6. 空気圧ユニットなどと比べて配管作業がめんどうである。
  7. ゴミ、サビに対する考慮が必要である。

油圧と空気圧の比較

油圧を知るには、空気圧のことも知らなくてはなりません。油圧と空気圧は流体(油と空気)の性質が本質的に違います。その大きな違いは、油は非圧縮性であり、空気は圧縮性であるということです。表1は油圧と空気圧の特性の比較になります。

表1 油圧と空気圧の特性
項目油圧方式空気圧方式
圧縮性非圧縮性圧縮性が大
圧力高圧発生が容易低圧
操作力大きい(数100[kN]まで可)やや大きい(数100[kN]まで可)
操作速度やや大きい(1[m/s]程度まで可)大きい(10[m/s]程度まで可)
応答速度速い遅い
精密制御可能不可能
速応性
負荷に対する特性の変化少しある特に大きい
移動性(位置決め)やや良好不良
構造やや複雑簡単
配管循環用戻し管が必要循環用戻し管が不用
環境温度70[℃]程度まで普通100[℃]程度まで普通
湿度普通ドレンに注意
腐食性普通普通(酸化に注意)
振動心配少ない心配少ない
保守簡単簡単
危険性引火性に注意ほとんどない
信号交換困難比較的困難
遠隔操作良好良好
動力源故障時アキュムレータを付ければ少し作動若干の余裕あり
据付位置の自由度ありあり
無段変則良好やや良好
速度調整容易やや困難
価格やや高い普通

油圧回路と電気回路

人間の体の中で特に循環器系、神経系を考えてみましょう。体を循環した血液は二酸化炭素をもって静脈に集まり、心臓の右心房へ戻ってきます。そして、右心室のポンプにより両方の肺に送られ、二酸化炭素は酸素と交換され、新鮮な血液は左心房を経て左心室より動脈に送り出されます。
老廃物は腎臓で分離され、排出されます。また神経系では視聴視覚から得られた情報が知覚神経を通って脳に行き、判断された命令が運動神経を経て筋肉へ伝えられます。
油圧回路もこの働きと良く似ており、アクチュエータ(筋肉)で仕事をした作動油は戻り油管(静脈)に集まり、フィルタ(腎臓)でゴミ等が除去されて油タンクに戻ります(図1参照)。油タンク(肺)は油中にある気泡等を放出し、ストレーナを通り、油圧ポンプ(心臓)より油の圧力エネルギーを与えられて圧油管(動脈)を経て油圧制御弁(運動神経系)に行きます。制御弁は制御指令(脳)を受けて動作します。アクチュエータ(頭、体、手、足等の筋肉)は、その圧力エネルギーを機械的エネルギーに変えて、負荷(被駆動体)を動かします。
表2は人間の体と油圧回路、電気回路の比較になります。

表2:人間の体と油圧回路、電気回路の比較
循環器系心臓油圧ポンプ発電機
普通-
脾臓油タンク-
腎臓フィルタフィルタ
動脈圧油管電線
静脈戻り油管電線
神経系制御指令、演算器等制御指令、演算器等
運動神経油圧制御弁トランジスタ、IC、リレー、スイッチ等
知覚神経検出器等検出器等
筋肉頭、手、体、足等の筋肉油圧シリンダ、油圧モータ、油圧揺動形アクチュエータ電動機、ソレノイド、リニヤモータ等

カウンタバランス弁の構造

カウンタバランス弁とは、油圧によって動かされる負荷が静止した状態において、負荷の自重などによって急激に落下するのを防止する為に使用される弁です。
図2はカウンタバランス弁構造概要図になります。弁入口ポートの圧力Pが弁の入口に設けられたパイロット回路を通してこの弁のスプール下端の受圧面に導かれています。ばねの初期たわみは、負荷の自重によって発生する圧力Pが弁の入口に作用しており、この程度の圧力では出口ポートが開かないように設定されています。そして、弁スプールにかかる圧力が負荷の自重以上の圧力P1になると、スプールに作用する圧力による力が設定されたばね力に打ち勝ち、スプールが開き出口ポートから油が排出されます(図3参照)。この出口ポートにできた小さな絞りによって減衰効果が起こり、負荷を安定にした状態で下降させる事が出来ます。

図2:カウンタバランス弁構造概要図

図3:カウンタバランス弁開口時